『夜と霧 新版』
書評といっても大したものではないのですが(笑)
Output練習がこのブログの目的ということで、自己満足的に感想を。
(初めての書評で扱うには重い本ですが…)
【読むきっかけ】
・割と大学生にお勧めする本で上位にランクインしてて前から気になってた。
・自己啓発としても使えるよーとの声
・ブックオフで半額だった(笑)
【要約】
「心理学者、強制収容所を体験する」という原題が表わす通り、心理学者である筆者の収容所体験記。
入所時→収容中→解放時の三段階に分けて、自身を含む収容者の心理状態を観察している。
【感想】
この本は読者によって色んな読み方が出来る本だと感じました。
心理学者によって書かれた書籍と見做せば、人間が極限状態の中でいかに豹変し、いかに不変でいるのかについて記述した学術書だし、
被害者の一人によって書かれた書籍と見做せば、人間の残虐性を伝え二度と過ちをくり返すべきではないと示唆する戦争本として読める。
そして人間が生きる意味について、「地獄」の中から考察した哲学書としての第三の顔を持ちます。
個人的にはこの本が名著として取り上げられる理由は上記の三面(ほかの読み方もできるかもしれないが)からみて傑作といえる内容だからではないかと。
そして今回私は、「人間はなぜ生きるのだろうか」という答えのない問いに対する「答え」を知りたくてこの本を手に取りました。(上の3つでいうと3番目ですね。)
そこで「目から鱗!!」状態になればよかったのですが、まぁ正直言って私にはピンときませんでした(笑)
確かに、
・「生きる意味についての問いを百八十度転換することだ。(略)生きることの意味を問う事をやめ、わたしたち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ。*1」
・「わたしたちにとって生きる意味とは、死もまた含む全体としての生きることの意味であって、『生きること』の意味だけに限定されない、苦しむことの意味にも裏付けされた、総合的な生きることの意味だった。*2」
・「苦しむことはなにかをなしとげること*3」
なんて言葉は普通の体験からは生み出せない含蓄のある言葉だとは思うのですが、
どちからというとこれらは、人間として最低限の生活が満たされない、明日が全く見えない状態の中でもなぜ生きるのかという問いへの「答え」(生に対するネガティブな解)であって、
人生はどう過ごすべきなのかというキャリア論への「答え」(生に対するポジティブな解)ではないなという印象を受けました。
今の自分には響かなかったなあ。。
社会人になって死ぬほど仕事がつらいなっていう時にまた読み返してみたいです(笑)
- 作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2002/11/06
- メディア: 単行本
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